データ統合・管理のソリューションを開発、提供するDenodo Technologies株式会社(本社:米国カリフォルニア、CEO:アンヘル・ヴィーニャ、以下Denodo) は、Denodo 9.3 におけるDeepQueryの提供により、AIイノベーションをさらに支援することを発表しました。DeepQueryは、事実ベースの検索にとどまらず、複雑で分析的な質問いに対し、詳細かつ説明可能な推論を行うディープサーチ機能です。
Denodo Platformの機能強化
Denodo Platform の最新リリースである 9.3 は、AI イノベーションの基盤としてのDenodo Platformの地位を確固たるものにしています。現在のAIワークロードの多くは運用型であり、ライブデータに基づいて応答するチャットボットや自律的に行動し、リアルタイムで意思決定を行うAIエージェントなどのユースケースが含まれます。こうしたAIには、拡大し続ける分散型データ環境の中で元のデータソースから大量のライブデータに双方向かつリアルタイムでアクセスすることが求められます。さらに一貫したセキュリティとコンプライアンス対策を維持しつつ、コスト削減も実現する必要もあります。
最近のMITの調査によると、AIプロジェクトの95%がプラスのROI(投資対効果)を達成していないことが明らかになりました。その主な理由は、AIが変化し続ける業務運用環境に適応して学習・判断するためのデータ基盤が整っていないことがあげられます。
Denodo Platform 9.3には、こうした課題に対応するために、運用型AIの基盤を強化する複数の新機能が追加されています。主な機能強化点は次のとおりです:
- マテリアライズドビューの俊敏性向上: マテリアライズドビューやデータキャッシュがスキーマの進化に対応できるようになったため、開発者はより高いアジリティをもってデータ製品の変更管理を行い、AIアプリケーションに必要なでデータをより効果的に提供できるようになりました。これはAIエージェントやアプリケーションが高速に反復処理を繰り返し、その基盤となるスキーマやメタデータが常に変化する動的な環境において極めて重要です。また、この機能により、データレイクハウスへの増分の更新を加速させ、レイクハウス内のデータを常にAI対応に適した状態に保ちます。
- 動的アクセス制御: この新機能により、データにアクセスしている最中でも、データアクセスポリシーをオンデマンドで参照できるようになるため、プライバシーやセキュリティ要件が頻繁に変化する動的な運用重視の環境において俊敏性が大幅に向上します。
- ビジネスコンテキストの自動生成: Denodo Platformが重視する「関連するビジネスメタデータによるAIの強化」に沿って、Denodo Assistantはビジネスコンテキストを特定するメタデータタグや属性を自動生成できようになりました。さらに、最新リリースでは、ベクトルデータベース(PGVector)内のメタデータ埋め込みを自動生成および更新できるようになりました。これにより、データをAI対応にするために必要なビジネスコンテキストを迅速に追加することが可能となり、進化するビジネスコンテキストに対してもより迅速に繰り返し対応できるようになります。
- Databricks Unityを介したIcebergテーブルへの書き戻し: Databricksレイクハウス中心のデータアーキテクチャを持つ組織向けに、Denodoでは、Databricks Unityで管理されるIcebergテーブルへの書き戻しを可能にしました。これにより動的なDatabricks 環境におけるパフォーマンスが最適化され、AIエージェントやその他のAIアプリケーションを構築できるようになります。 Denodo Platform 9.2で導入されたビジネスユーザー向けセルフサービス型のDenodoデータマーケットプレイスと組み合わせることで、Denodoは、人とAIアプリケーションの両方に対し、リアルタイムかつビジネスコンテキストに即したニーズを満たす、他に類をみないエンタープライズデータ基盤を提供します。
「Denodoは、AIを活用したデータ管理分野にも注力しており、その進化の速さに対応しています。」とDenodoの最高技術責任者(CTO)であるAlberto Pan(アルベルト・パン)は述べています。「企業は、従来のネットワークやストレージの境界を超える動的な業務運用環境を乗り越えていく必要があります。Denodo Platformは、こうした変化の激しい状況下においても、AI対応・ビジネス対応が可能なデータを中心に据えた新しいユースにすばやく適応する手段を提供します。」
Denodo が DeepQuery をリリース
7月に事前に発表されたマルチエージェントによるディープリサーチ機能であるDenodo DeepQueryが、GitHub上で一般提供開始となりました。DeepQuery を活用することで、AI開発者は、解約の原因を明らかにしたり、顧客ロイヤルティの主要な要因を特定したりするなど、自由形式の質問に基づき、複雑で多段階のコンテキストを考慮したクエリを実行できます。これにより、通常であれば熟練のデータ アナリストが数日かけて生成するようなリアルタイムのインサイトを、数分で得ることが可能になります。
DeepQueryは、AIおよび開発者コミュニティに対し、Denodoのディープリサーチ機能をオープンソースとして提供します。DenodoのセマンティックレイヤーとAI SDKを基盤として、DeepQueryは必要なデータを動的に判別し、リアルタイムでビューを取得、さらに複雑な検索および推論のワークフローを調整します。
主な利点は以下の通りです:
- よりスマートな AI インタラクション: AI エージェントが質問やロジックを繰り返し改善できるようになり、より正確でコンテキストに富んだ応答を提供可能に
- 包括的なデータガバナンスとセキュリティ: AI 主導のクエリを企業ポリシー、マスキング、アクセス制御に準拠させて実行
- オープンソースの柔軟性: Apache ライセンスで提供され、カスタマイズやコミュニティへからの貢献が可能に
これらの進化はすでに業界全体で高く評価されています。
「Sigmasoft では、企業のAI活用におけるDenodoのイノベーション、特にDenodo DeepQueryのディープリサーチ機能に注目してきました」と、DenodoのパートナーであるSigmasoftの最高AI責任者(Chief AI Officer)、Shivaji Basu氏は述べています。「この機能の一般提供が開始されたことで、私たちは協力してクライアントがエンタープライズ規模で説明可能かつシステム横断的なビジネスインサイトを引き出せるよう支援できることを楽しみにしています。これは、意思決定者にスピードと自信の両方をもたらすAIの成熟度を示すものです。」
このようなパートナー企業の成功、Denodoの多様なお客様の成功事例などは、企業のAI活用を「実現可能」なものにするだけでなく、実用的でガバナンスの効いた、高い効果をもたらすものへと導く、Denodoのリーダーシップを裏付けています。